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出会いはいつも突然。 今回の出会いはコレクター・しゅうくんからの興奮丸出しの電話での一報で「さっき行ったお店の倉庫にエイリアンヘッドの型がありました!」とのビッグニュース。 しかもそこのオーナーはそのブツがなんだかよくわからず、「抜く根性があるなら持っていって抜いてよ」との太っ腹なことを言ってくださってるとか! ワタクシ、無謀という名の根性は人三倍くらい持ち合わせておりますんで速攻で「近いうちに行くって伝えてくれ!」と伝言。 そっからもう仕事どころじゃございません。 今からダッシュで行けば閉店に間に合うかも…とか考えつつ、とりあえずGWの作業はこれに決定。 なんて有意義なんだ。

というワケでブツの運搬には例によっていつもの後輩の車を使い、GW最終日にしゅうくんを呼んでFRP体験講座の始まりとなったワケでございます。 まぁFRPなんて面倒なコトをやる人はあまりいないだろうから参考にならんかもしれませんが、FRPヘッドっちゅうのはこうしてできあがる、というのが分かってくれれば面白いんでないかと。 ちなみに現在製作中のウォリアーヘッドのための予行演習も兼ねているんで一石二鳥でもある、と。 我が人生死角なし。

■STEP 1:

 シリコン型

型自体はパッと見てディストーションのビッグチャップの物だ、と判断できたものの、ディティールなどは実際抜いてみないとわかんないです。 なのでとりあえずは片面を抜いてみます。

この型自体はシリコンでできており、エイリアンヘッドという巨大な原型に対して左右2面というなんとも漢らしい分割。 できれば3面くらいで抜きたいとこですが、そればっかりはどうにも。

ついで言うなら輪郭に沿って並んでいる枠の部分(枠をフランジ、穴をダボといいます)がなんともテキトーな仕上げになってるので成型品は間違いなく歪むはず。 
普通はフランジ部分まで作る樹脂製のバックアップジャケット(シリコン型は柔らかいのでそれを正しい形に保持するためのカバー)もえらい小さいし。

とりあえずシリコンも古いので針金その他で反則的な技を使って型の形状を出しつつFRP作業開始。


■STEP 2:

 第一層目:ポリエステル塗り

通常のレジン複製の場合はレジンA/B液を混ぜてから型に注いで成形をするわけですが、FRPの場合はちょいと違います。

しかも今回はFRP成形を得意とする達人に色々と伝授してもらった技を試してみました。

んで写真右の型が第一層目を塗りおえたところ。 通常第一層目はゲルコートという粘度の高いポリエステルを塗るらしいんですが、達人はポリ原液にポリパテをドッサリとブチ込んで混ぜたものを塗り塗り。 空気(気泡)ができないようにハケでモールド内に塗り込んでいきます。

今日は気温が高いのでみるみる固まりますな。 第一層目が乾燥したら今度はさらに粘度を上げたポリ原液+ポリパテを塗って型内の凹凸を出来る限り減らします。


■STEP 3:

 グラスマット貼り

さっき塗った第二層が生乾きになってきたら今度はグラスマットを写真のようにちぎってほぐして敷き詰めていきます。

細かいディティールなどはポリ原液であらかた埋めてしまったのでマットは結構テキトーに貼っていきます。

ちなみにFRPは「ファイバー・レインフォースド・プラスチック」だかの略で、プラスチック(ポリエステル)のみでは強度がイマイチなんでファイバー(繊維)を一緒に塗り重ねることで強度をグイッとアップさせるという代物です。 身近なところではユニットバスやサーフボードなんかがFRP。 デカ物になるとレーシングカーや船なんかのボディもそうです。  マメ知識。


■STEP 4:

 第三層目:ポリエステル塗り

さっき敷き詰めたグラスマットに今度は混ぜ物ナシのポリを塗っていきます。 混ぜ物をしないポリは結構粘度が低いのでハケで叩くようにマットに染みこませていきます。

空気を追い出すようにペタペタと塗りおえた状態がこの写真。 かなりの手間がかかる上に硬化時間(およそ10〜15分)があるので手早くサッサと終わらせます。

現時点では表面の混ぜ物をした層(×2)とグラス層が1なので強度的にやや心配。 なのでこれも生乾きになったら再度グラスマットを敷いてポリ原液を塗ってグラス層が計2層とします。
ホントはもう1層くらい重ねたほうがよさそうだけど、めんどくさいんでヤメ。 とりあえず完全硬化させるために30〜1時間くらい放置しておきます。(ホントは一昼夜くらいのほうがいいらしいけど、セッカチなんでムリ)


■STEP 5:

 脱型

さていよいよ念願の脱型。 この瞬間が一番たまんねえところです。 シリコン型は柔らかいのでフランジの辺りからペリペリと剥いていきます。 一気にいかずに全体から少しずつ。 でも時には豪快に。

んで型から完全に抜けたのがこの写真。 輪郭にそってボワボワしてるのはプラモでいうところのバリみたいなもんです。 


■STEP 6:

 脱型:アップ

んん…? なんかコイツみたことあるような…。
そう、以前にラテックス版のダメヘボヘッド改造記に登場したアイツ。 ネアンデルタール人ばりの眉間のでっぱりがアイツであることを強烈に主張してやがります。 ん〜困ったなぁ。 モチベーションがガタ落ち。 つーかあんなマスクの型なんて作らなくたっていいじゃんよ!!

まぁそんな感動の再会はさて置きつつ、ディティールは良好に抜けました。


上が前日に抜いた捨て抜き用の物で、下が今日抜いた物。 表面の色が全然違うのはポリの種類がちと違うから。 ちなみに捨て抜きのは歪みや硬化不良がひどすぎなので速攻でゴミ袋に入れて燃えないゴミの日に。 清掃局の人、すまぬ。

 


斜め正面から。 口のディティールはガタガタ。 パイプのモールドも結構ボケまくり。 んで眉間の出っ張り。 ヘタすると、いやヘタしなくてもゴミ以外の何者でもないが、まぁしゅうくんにとっても抜きが体験できていい経験になったんではないかと。

写真はバリの部分をあらかたダイヤモンドカッターで切った状態。 この後にヤスリやリューターで整え、反対側も同様に仕上げて両面を重ね合わせると一応完成となります。


あとがき:

いざ抜いてみたら懐かしのアイツとの再会だったワケですが、まぁ今回も今回でいい勉強になりますた。 とりあえず針金で玄関横に吊しておいたらさっき隣のオバちゃんに「あら〜、エイリアンの表札? ここにピッタリねぇ」と言われたのでそれもアリだな、と思いつつ、今後ヒマみて反対側も成形してとりあえず合体させ、これを芯にしてまた作り起こしでもやろうかと。 前回のラテックスよりも加工が楽なのでこれはこれで面白いかも。 まぁしゅうくんと二人でヒマみてやろう、と約束して今回はお開き。

型を貸してくれたオーナー、運んでくれた後輩、型抜き指導してくれたT氏、発見&お手伝いしてくれたしゅうくんに感謝


 
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